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放浪するモートン・ハルケット <Treff 1996>

訳:Mayumi

「信仰は心の葛藤であり、人生はとても大切なもの。でも長い目で見たゴールとは、永遠の命だ」
モートン・ハルケットはこう語った。彼はこれからエルサレムへ放浪の旅に出ようとしている。
イースター(復活祭)はとっくに過ぎたが、モートン・ハルケットはこれからエルサレムへ向かおうとしている。簡単な道のりではない。信仰もまた、葛藤である。
「心の葛藤はさまざまな方向をさしている。だからゴールをめざしてさすらうのは良いことだよ」
「ゴールとは何でしょう?『死』ですか?」
「死ではない。命はとても大切なもの。だからこそ命があることを実感することはとても大事なことだと思うよ」
モートン・ハルケットは丸い目がねをはずして、上を見上げた。彼は考え込んでいる。大切なものについて話し合うのは悪くない。
「一番大きな葛藤とは何でしょう?」
「遠い将来にあるものに左右されながら、毎日の生活を送るのは難しいね。一方では、今、この場所で生きていかなかなければいけないけれど、同時に長期的な前途について念頭におかなければならないのだから」
「長期的な前途とは、永遠の命のことですか?」
「その通りだよ」

モートン・ハルケットにとって、キリスト教信仰はとても大切なことである。毎日の生活の一部であり、将来の一部でもある。彼の曲の一部でもある。彼のアルバム、『Wild Seed』に収録されている曲のいくつかは宗教をテーマにしている。『Lord』はノルウェーの詩人、ホーバート・ラムのA Prayer to Godからの詩である。そして『Ready To Go Home』もまたしかり。
『主はわが身に光をお照らしになった。わたしは主に召されるのを待ちわびている』
モートン・ハルケットはこれまで世界中を旅してきた。ついこの前の日曜日にアマゾンから戻ったばかりだ。Toyen植物園の依頼で、蘭を探しに行っていた。今は(新しい曲作りのための)詩とメロディーを求めている。
「聖書によると、神は(われわれに)才能と魅力という贈り物を与えてくれた、とありますが、あなたはどちらを受け取ったと思いますか?」
「僕は辛抱強いんだ。信じられないかもしれないけど、特にオーディエンスとプレスに対してね。別にオーディエンスの態度が悪いとか言っているわけではないんだ。それにプレスも仕事でやっているだけなんだよね。ただ、彼等は、『僕の側のかきねの中』にいることが、どんなことかわかっていないだけだと思う」
「(彼等に対して)フラストレーションを感じますか?」
「いや、実際にフラストレーションを感じるのは、いろいろな雑音をたてられることに対してだよ。歌の中身が大切なのにね。(僕の歌は)娯楽性を追及したものではないんだ。今の世の中、すべてエンターテイメントになってしまう。ニュースまでもね。僕の歌は、そんな今日でもエンターテイメントにはなりえない。娯楽性がないから、(今の時代から)遅れているんだ。
音楽は、モートン・ハルケットの使命の『形』である。彼の信仰をよりわかりやすく、親しみ深いものにするための一つの手段だ。彼はここ何年か、東ティモール紛争に関わってきた。何万人ものティモール人が、インドネシアの軍事力によって殺された。
「こんなに苦しみが多い世の中ですが、神を信じつづけることが難しく感じることはありませんか?」
「僕にはそういう問題はないよ。人間は自由な意思を与えられた。神はみずからが創造したものを管理させるために、われわれをお作りになったのだから」
考えるアーティスト、モートン・ハルケット。彼が身につけているグリーンの短パンとマウンテンシューズは、彼がアマゾンの旅から戻ったばかりだということをうかがわせる。時差で疲れているので、そろそろ『家に帰りたい』様子だ。
「信仰、葛藤、善良な神、そのうちのどれを信じますか?」
「信じることで、自分の意識から自分自身を独立させることができる」
とモートン・ハルケットは言った。
これから(目の前の)旅人は家に帰って、リハーサルをしたり、曲を書いたり、考えごとをするのであろう。

※H+D MLにポストされたモノを翻訳しました。(転載許可確認済)
 元記事:Maria Hasselgard、英訳:Jakob Sekse

2000-05-10 | EDIT
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