ノルウェー-新聞- 24/10/03
Adresseavisenより 訳:みこ
a-haは充電完了
「僕たちは今、" オフ " 期間中」
インタビュー:ミリアム・クナップスター
「この4年間は働きづめだったから、しばらくの間、休みたかったんだ。そろそろ充電もできたし、集まろうかと思ってね」とモートン・ハルケットは言う。
a-haが前回の公式ライブを行ってから、早1年が経とうとしている。しかし、a-haはまだまだ精力的なバンドということを証明するかのように、ロシアでの公演に始まり、11月3日・4日にトロンハイムのDodens Dalでの2公演で幕を閉じるツアーを開始した。2003年中にノルウェーで見ることのできるa-haのライブは、この2つの魅力的なコンサートのみである。ハルケットは、ノルウェーでコンサートを開くのは、経費がかかりすぎて難しいと考えている。
「単独公演は高くつくんだ。でも、今回の場合は、ロシアツアーがちょうど良いタイミングでオファーされたから、2つあわせて、うまくツアーをすることができたんだ。でも、ギグの依頼が来ても断らなくてはならないことも多いんだよ。」
嘘とプロパガンダ
最近、a-haの周辺は静かである。しかし、彼らは今「プライベートなオフ期間」ではなく、「公式のオフ期間」をとっているのだと、ハルケットは言う。
「a-haの活動を再開して以来4年の間、バンドとしての活動しかできなかった。だからa-haの活動はしばらく休んで、それぞれの活動に打ちこむ時間を取る必要があると思ったんだ。でも、それが理解できない人もいるみたいだね。」
ハルケットの言っているのは、「バンドは解散するのでは?」だとか、「バンド内に問題を抱えているのでは?」だとか、「メンバー同士が敵対しあっている!」などといった、飽きもせずに流れてくるウワサのことだ。
「ゴシップ紙の記事だと、僕たちが " オフ期間 " を取っているのは、バンド内でいがみ合いがあったからで、もし僕たちが顔を合わせても、お互いに憎みあっているのを再確認するだけのことになるらしいね。いいかげん、ウンザリだよ。マスコミというものは、a-haのようなバンドの創造的なプロセスというものがどういうものなのか、理解できるだけの洞察力をも持っていて当然なのにね。ゴシップ誌には愛想がつきるよ。センセーショナルな見出しをつけること以外には、何の能力のかけらも持ち合わせていないことを自ら認めてしまっているんだからね。彼らは、真実について語り合う機会を提供するということをしないのだから。」
—無責任なウワサというものは、バンドにダメージを与えますか?
「そうだね、昔は気にしていた。デビューしたての頃は、僕たちはボーイズグループ扱いされたけれども、僕に言わせれば、a-haがそういうものだったことは一度も無い。タブロイド紙だとかゴシップ週刊誌だとかは、まったくのデタラメを平気で書いていたし、僕たちはそういう記事に傷ついたこともあった。正直なところ、そういうことが、僕たちが一度活動を休止した理由のひとつなんだよ。あまりにも一面的なことにしかスポットを当ててもらえなくて、音楽をやることに対する興味を失ってしまったんだ。」
表に出ていない創造力
a-haが1993年に活動を停止して以降、3人のメンバーはそれぞれのソロ活動に取り組んできた。モートン・ハルケットはソロアルバム『Wild Seed』の製作中、かなりの期間をトロンハイムで過ごしている。この街で、a-haのリードシンガーが、ひとりのソングライターとして成長を遂げたのだ。
「その意味で、トロンハイムは僕にとって特別な街なんだ。この街での経験によって、僕はソロアーティストとして独り立ちできるようになったのだし、あのアルバムこそが、僕が音楽を続ける理由を語っている作品なんだ。あのアルバムを作るまでは、僕はバンドの1メンバーに過ぎず、しかも作品を " 発表 " する役割しか与えられていなかった。僕はa-haの中で十分な刺激を得ることができなかった。それはa-haというバンド全体の問題でもあったけれど、僕自身にも問題があったと思う。」
1998年にバンドとしての活動を再開してからは、昔よりも刺激的な日々だったと、モートンは言う。でも彼は、3人それぞれにまだ、表に出ていない創造性が眠っていると思っている。
「僕たちは3人一緒にいると、状況を冷静に見ることができないみたいなんだね。僕たちは3人とも、人の言うことをちゃんと聞くような人間ではないし。これは、批判をしているわけではないけれど、a-haはこの問題に直面しなくてはいかないと思う。僕たちはこれからも成長し続けることができるし、a-haにはまだまだ可能性があると思っている。」
−2003年のa-haのサウンドは、去年までとは違うのでしょうか?
「今回は新しい曲もやらないし、新しいコンセプトも無い。僕たちは自分たちの持っているものを出して、あるがままのa-haを見せるだけのことだ。これまでに僕たちが作り上げてきたものを、きちっと届ける、ただそれだけのことだよ。」
−今でも創造的ですか?
「もちろん。3人がそれぞれにね。それぞれが、自分の素材にとりくんでいるよ。それがa-haの作品としてふさわしいものになるかどうかは別問題だけれど」と、ハルケットは意味ありげに微笑んだ。a-haは5年後には一緒にステージに立っていると思うかとの質問にも、彼は同じように曖昧な答えを返した。
「そうだね。でも、3年後だったら、まだどうだか分からないけれどね。その時が来たらまた集まって、一緒に作品を作るだけのことだから。まあ、可能性はあるけれどね。ソロ活動はやめて、また集まるかもしれないね。」
−a-haのニューアルバムという形になると思っていいですか?
「今のところは、まだ計画段階なんだ。それ以上は何もかも、予測の域を出ない。マスコミは、何をするにもきちんとした理由を欲しがるね。例えば、ロシアに行くのはなぜか、トロンハイムでギグをするのはなぜか、という具合にね。でも僕たちは、その時に自分たちにとって、音楽を作る上で良いと思うことをするだけだ。それが、a-haの新しい曲という形になるかどうかは、その過程で決まるものなんだよ。」
そう言うと、彼はギターを手に取った。Adresseavisen紙のリクエストで、彼はスツールに座ったまま身を起こし、咳払いをして、ギターの音合わせを始めた。そして、いくつかのコードを爪弾くと、歌い始めた。美しい声と、歌詞と、メランコリックなサウンド。そういや、自分が話していた相手は、あのモートン・ハルケットだったのだと実感した瞬間だ。確かに彼は新しい曲を作っているようだ。
「そう。できたばかりの曲だよ。でもまだ、どっちのアルバムに入れるか決められる段階ではないけれどね。」
もしかしたら、この曲では無いかもしれないが、きっと彼の美しい曲をもうすぐ聞くことができるだろう。
−無責任なウワサや、攻撃的なマスコミがa-haの命を終わらせるところだったのですね。
「でも今では、昔ほどはイヤな思いはしていないし、トロンハイム公演を楽しみにしているよ。」
楽観的なモートン・ハルケットはそう言うと、Adresseavisen紙のためだけの、独占新曲披露会を続けた。
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