ノルウェー-雑誌(Hjemmet)- 05/04
訳:みこ
- モートン・ハルケット(44)は、なぜだか疲労を感じていた -
40歳に近づいたころ、モートン・ハルケットは体調と食べたものの間には関連があるということに気付いた。食事から小麦粉を除去すると、目立って体調が良くなった。しかし、モートンはパンが大好きだった。それで、彼のガールフレンドのアンネ=メッテ・ウンドリエン(35)はスペルト小麦のパンをベースにしたレシピを考え出したのである。今ではモートンはこのパン無しでは生きていけないという。さらにベイカー・ハンセンというベイカリーもアンネ=メッテのパンに感銘を受け、このパンの製造を始めた。
「40歳になるまで、自分の食べているものについて真剣に考えて−ここが一番重要なところなんだけれど−体内に摂取するものと、それが自分の体にどれくらいのエネルギーを与えてくれるかの関連について理解していなかったんだ」と、モートン・ハルケットは言う。
モートンはそれまで、食事については単純なタイプで、出されたものなら何でも食べるという人だった。テーブルの上に大きなケーキや甘いデザートがあったら、もちろん食べていた。その点は今でも変わりない。
「モートンはケーキのことになると、どうしようもない人なのよ」と、アンネ=メッテ・ウンドリエンも言う。彼女は今、二人の間に生まれた一歳の娘ヘニーの育児のために、在宅で仕事をしている。
実は、このインタビューでは、モートン・ハルケットについて聞く予定は無かったのである。キッチンのテーブルに、モートンの席が用意していなかったのは、そのためである。しかし、突然彼はキッチンにフラフラと入って来た。当誌「Hjemmet」の記者が近くにいたので、ポップミュージック界のキングのアンテナが反応したんでしょうか。そんなわけで、当誌は彼の話は非常に分かりにくいのも承知だが、これまで何度もインタビューを断られてきたこともあり、時間のかかるインタビューを行うことにした。
見るからにモートンは、彼が真剣に考えている問題について−つまり、彼のガールフレンドのスペルト小麦パンとその健康に与える利点について−の意見を当誌と分かち合いたくてしかたないようである。
「僕は他の人に、ああしろこうしろとは言うつもりは無いよ。ただ、スペルト小麦パンが僕にとってどれだけ良い効果があったか分かっているし、他の人にとっても良いものだと信じているだけだ」と、モートンは言う。
辛抱強いけれども、パン焼きについては素人だった、彼のガールフレンドのアンネ=メッテが、正にこのキッチン内で作り上げたパンについての話である。
「彼女は最初は、何の知識も無かったんだ。この人はパンを焼けなかったんだよ!イーストで発酵させたパン生地がどういう状態になればいいのか考えたのは僕なんだよ。僕はティーンエイジャーの時からパンを焼いていたからね。でも今では彼女の方が僕よりも上手に焼けるようになってしまった」と、モートン。
- 健康を意識して、小麦を除去 -
「私がモートンとであった5年前には、彼は時々、すごく疲労感を感じると言っていたの。でもそれは別に睡眠不足とは関係無かったのね。朝食後に眠くなってしまって、そういうときはひどくイライラしていたわね」と、アンネ=メッテは言う。
何かがおかしかったのだが、ようやく彼らは食べ物が原因だということが分かった。それで、彼らは何を始めたのだろう?
「a-haが活動を再開したころ、マグネ・フルホルメンは心臓に問題を抱えていて、その関係で血液型ダイエットを始めたんだ。この食事療法がマグネに良い効果があったみたいで、誰もがマグネを見て食事と健康に気をつかうべきだと思うようになったんだよ」と、モートン。
血液型ダイエットによると、モートンがよく感じていた疲労感は、小麦製品が原因だという。そこで食事から小麦を除去してみたところ、すぐに効果が表れたのである。これで、モートンは問題を一つ解決できたが、新たな問題が生まれてしまった。パンが恋しくなってしまったのである。
そのため、彼が以前食べていたパンの代わりになる食品を探し始めた。彼らは健康食品ショップで小麦以外で作られたパンをいくつか見つけたが、それは彼らに言わせれば、パンというよりも乾燥した建築用木材のような味の代物であった。
「それで自分たちで焼こうということになったの。でも大変だった!すぐにスペルト小麦パンは、普通の小麦のパンのようには焼けないということが分かったの。スペルト小麦のパン生地はものすごくベトベトするのよ」と、アンネ=メッテは説明する。
施行錯誤の最中、モートンの弟のシェティルも助けに加わった。2年後3人は、生地を三回発酵させるというレシピを編み出した。三回目の発酵が最も重要なのである。
「ちょうど良いタイミングで生地をオーブンに入れないと、焼き上がりがうまくいかないのよ」と、アンネ=メッテ。
このパンは、オーブンに入れさえすればOKというパンではない。計画性と忍耐力の必要なパンだ。
「パンを焼く日には、パンが発酵するスケジュールに会わせて、人に会う約束や用事の予定を立てるの」と、アンネ=メッテは言う。
- 1週間に16個ものパン -
しかし、大変な仕事も報われたようだ。最近のモートンは前よりもエネルギッシュで健康的である。
「小麦を食べなくなった途端に疲労感が無くなったんだ」と、小麦製のパスタやジャガイモも食べないモートンは言う。彼は1年半ほどこの食事療法を続けていて、旅に出かけるときには、このパンを持って行く。
昨年の秋にa-haのツアーを行ったときも、モートンはスーツケースにパンを8個入れていった。これで1週間分である。
「モートンは小麦アレルギーというわけではないの。血液検査でも、どうして小麦に対して反応が出るのか分からなかった。でも、食べ物に対して反応を起こしやすいのね。私も、スペルト小麦のパンを食べた時の方が、消化が良いみたい」と、アンネ=メッテは言う。
モートンは、スペルト小麦と普通の小麦の成分にはそれほど違いは無いのだと説明する。それなのに、この二つの小麦に対して、体の反応のしかたがかなり違うという人が多いのである。
「なぜなのかはまだ分かっていないんだ。体に対する反応はしっかりと見極める必要があるけれど、小麦やグルテンに対するアレルギーがある人には、スペルト小麦もダメという人が多いんだ」と、モートンは言う。
アンネ=メッテのスペルト小麦パンは、二人の友人たちの間で絶賛されている。友人たちは彼らの家に寄った時には、このスペルト小麦パンを食べたがるのだ。モートンの上の3人の子供たちも、モートンの家に来ると、スペルト小麦のパンをたっぷりと食べる。
「最初は、子供たちには他の種類のパンを買っておいたのだけれど、もう買わなくなったの。みんな私のパンを食べたがるのよ。うれしいわね。1週間に12個から16個もパンを焼かなくてはならないことになってしまったけれど」と、アンネ=メッテは言う。
「なんだか僕たちはパンだけ食べているみたいだね。でも、そうじゃないよ。バラエティーに富んだ食事を取ることが大切なんだからね」と、モートンは力説する。
といっても、モートン宅では、平均して週に10個のパンを食べているわけですけどね!
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