新たなハルケット モートン・ハルケット A Kind Of Christmas Card(シングル) <by Stein Ostbo VG 14/07/95>
訳:あきこ
モートン・ハルケットはキャリアにおいて天才的な一仕事をこなしている。ニューシングル『A Kind Of Christmas Card』で、彼は全く新しい姿を現した。この新たなスタイルは上手くいってるようだ。
新しいヘアー・スタイル、新たな声に新たなサウンド、これらがキーワードの核である。ハルケットの声は少なからずも更に暗さを帯び、粗削りのような感じを増し、若くて力強いロッド・スチュワートと、感情を抑えたフィアガル・シャーキーを合わせたような感じだ。『A Kind Of Christmas Card』の詞はホーバート・ラムの物。彼のLAのダークサイドの物語はヒュー・グラントの事件で図らずも白日の下にさらされているし、題材的にはトム・ウェイツのChristmas Card from a Hooker in Minneapolisと全く同じである。(注:当時、ヒュー・グラントが車の中で売春婦とオーラルセックスをしていたのが見付かり、公的な場所で猥褻行為をしていたかどで有罪になり、罰金を払って執行猶予になるという事件があった。)
それ以外には、シンプルで、ヒットになる可能性を持ったポップな曲と言える。メロディー・ラインが良くて、キャッチーなリフレインがなかなか頭から離れない。曲中に流れる弦楽器のアレンジが、ハルケットの声と共に、曲に繊細な印象を与えている。
同シングルには、ハルケットがKnut ReiersrudとIver Kleiveと共にプレイしている、サム・クックの『A Change Is Gonna Come』の素晴らしいバージョンと、ハルケットが再び1オクターブ上の声になる、讃美歌のような珠玉の作品、『Lay Me Down Tonight』が収録されている。モートン・ハルケットのアルバムには後者のみが収録されている。
しかし全てにおいて、シングル『A Kind Of Christmas Card』は、a-haを離れる気はないにしても、モートンがグループとは別に、可能な限り大きな一歩を踏み出した事を示している。ここ数年のa-haに対する国際的な評価がいまいちである事を考慮すると、ハルケットにとっては、これが唯一の正しい選択肢であろう。モートン・ハルケットのアーティストとしてのキャリアは今始まろうとしているのか?
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