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[ INTERVIEW > 2009 ]

ポーランド-音楽雑誌(Teraz Rock)- 9月号

訳:Mayumi Thanks to Gosia

パートI
朝からジャック・ダニエル

マグネ・フルホルメン

a-haの公式サイトにも、『Foot of the Mountain』は、a-haが世界中で最も売れているバンドのひとつだったころの初期の音に戻った、と記載されていますね。

昔のやり方に戻ることに夢中になっていたわけではないんだ。今回のアルバムではもっといろいろ分析もしてみた。9枚目になるこのアルバムで、ここ数年一緒にやってきたミュージシャンと同じように作業するのではつまらないと考えたんだ。僕らは自分たちを客観的に観察してみて、長いキャリアで何を得たのか考えた。初期の頃、最高だったのは、僕とポールだけでスタジオに篭って、電子系楽器だけを使用していたことだった。

ギター、ベース、ドラムに手が届くようになってから、ずっとそれらの楽器を使ってきたけれど、ある音を出そうとしたとき簡単に再現できるようになってしまった。それは自分たち自身から離れすぎてしまったときに起こったことでもある。それで、またエレクトロニクスに戻るのが一番だと考えた。でも個人的にはこれは一歩前進した、ということでもあるんだ。

ヴァイオリンや、ギターを使うのを止めて、実験的な道に戻る。a-haの音楽には、確かに独自の要素が存在するね。それが特別なものを作り出すんだ。

まず、曲の作りがノルウェーのメランコリックな気候にすごく関連していること。次の要素は、モートン・ハルケットの声。独特だよね。彼の歌にはとても情熱ガこめられている。時々だけど、オーケストラやピアノをバックに歌うと、モートンの解釈は甘くなりすぎてしまうことがある。ドラマがメロドラマになってしまうんだよ。これを無くしたいと考えた。

それに、アメリカ風の伝統的なギターロックの部分も無くしたいと思った。モートンがロック調をバックに歌うと、繊細すぎる感じがしてしまうから。彼の声は、一日60本のマルボロを吸い、朝からジャック・ダニエルを飲むシンガーのものとは違うんだ。そこで、すべてを分析し始めた。過去を振り返ってみて、自問してみた。なぜ僕はエレクトロニックなバックでモートンの歌を聴くのが好きなのだろうと。モートンの歌の中のパッションは、どこか冷たい殺風景な電子音のバックで映えるんだ。僕らにもドグマがあった。ラース・フォン・トリアー(※デンマークの映画監督。技術的なミニマリズムを唱えたドグマ95という原則を発表した。作品は「老人と海」「ダンサーインザダーク」など)みたいにね。

僕らは、アコースティックやロックギター、オーケストラを使わないということにした。バンドを使ってアイデアを出すと、バンドの音を排除したり、大きな変化を求めることは難しい。曲の構成をプログラミングしておくと、変化させることが容易になる。プログラムしなおしたり、テンポを変えたりね。もっと自由になれるんだ。アレンジやシーケンスを作るのは得意分野だと思うよ。

昔に戻ったのではなくて、僕らの知識や積み重ねてきたものを振り返って、前に進んだというところだよ。パレットをより大きくしたんだ。僕らは、3人でスタジオに入って、エレクトロサウンドを試してみることから始まった。そして長年やっているうちに、コンサートを数多くやり、だんだんコンサートバンドになっていった。元々エレクトロニクスサウンドだった曲にもギターやドラム、ベース、ピアノを使うようになった。それらの曲をまったく違う種類の音で演奏してきたんだ。だから、今回こういう暴挙とも思える決断をして、すべてエレクトロニクスの世界に戻ることにしたんだ。

今回だけですか?アルバム『Analogue』ではどうでしたか?あなた方はたいてい、個人で制作作業をしていましたね。今回、スタジオで一緒に作業をしてみて、何か変わりましたか?

変わったよ。もし今回一緒に作業しないのだったら、もうアルバムは作りたくないと思っていたんだ。ポールはニューヨーク、僕はノルウェーの自宅のスタジオで、a-haにふさわしいアルバムを作ろうと、それぞれ作業してきた。でも、実際は3人のばらばらなソロ作品の集合体だったんだ。こういうやり方は望ましくなかった。a-haはa-haでいて欲しかった。それで、半ば無理やり全員1室に集まってもらって言ったんだ。「一緒にやらないいのだったら、もうアルバムは作らない」と。共同作業はうまくいったと思うよ。

シングル『Foot of the Mountain』は、あなたの作品『The Longest Night』を基に作られていますね。どのようにして(合作をするという)アイデアに戻ったのでしょうか。

最初はアルバムに収録する予定の2曲だったんだ。でも、『The Longest Night』はすでに僕のソロアルバムで使っていた。この曲を作っていたときは、a-haぽい曲だと思っていたんだ。だけど、前作からのブレーク期間が長すぎたため、しびれを切らしてソロアルバムを出した。もう一曲は、ポールが作った『Foot of the Mountain』という曲で、コーラス部分はこちらから取った。コーラス部分が一番良くできていたからね。『The Longest Night』はコーラス以外は良かった。そこで、2曲を合体させることにしたんだ。2種類の歌詞に分かれているんだけど、一緒にして、少しコードでスピードアップを図った。わくわくしたよ。過去にも同じことをしたことがあった。『Manhattan Skyline』がそうだね。僕がスローな部分を書いて、ポールが速い部分を書いた。それをつなぎ合わせたんだ。

他にもソロ作品として出した曲『What There Is』がありますね。

そうだね、でもこの曲の場合は、さっきとは違うんだ。ずいぶん前に映画用の曲(※サントラ『Ti Kniver I Hjertet』収録のOtto's Tama-オットーのテーマ曲-)を作った。レコーディングの準備をしていたとき、ポールは、ニューヨークのスタジオで、何か使えるアイデアが無いか探していたんだ。そして、僕の映画用音楽を見つけた。ポールは「おい、これはヒット曲になりそうだな」と言ったんだ。そして、僕が書いたコード進行を基に曲を書いた。コーラスは、原曲から取った。ポールが組立てて、そこから新しいものを生み出したんだ。

去年、あなたとポール、モートンは、オスロとロンドンで変わった趣向のコンサートをしましたね。まず、それぞれがソロ曲を演奏して、最後に一緒に演奏しました

世界中のたくさんのファンから、「あなたたちのソロ演奏を聞いてみたい、でもソロのライブをしませんね」と言われていたんだ。僕らのソロ作品がa-haほど世間の注目を集めていないことは気づいていた。大勢のバンドメンバーを引き連れてソロツアーはできなかった。そのためのお金が無かったからね。もっと小さな会場を借りて観客に近い雰囲気でやったみたりした。でも、ファーストクラスで旅をしてホテルに泊まる生活から、バスで眠る暮らしに戻るのは大変だよ。数日くらいならやってもいいけれど、1年間そんな生活はできない。そこで、ファンを喜ばせられる方法は無いか考えたんだ。僕らのソロライブをうまく組み合わせて合同で行うことにしたらどうだろう?たとえば、ロイヤル・アルバートホールはどうだろう?そして、実現することができた。もちろん、ある程度のリスクは覚悟していた。これはa-haのコンサートではなくて、3人のミュージシャンによる合同のライブだ。でも、みんなに僕らのソロ・プロジェクトがa-haのために重要であることを見せられたと思う。バンド内の創造性にとってどれだけ重要なのかということを。

2009-12-17 | EDIT
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