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元記事:a-ha.com 翻訳:みこ

ポール、a-haの音楽の背後にある理由を説明する

インタビュー:サビーネ・クレメント

a-haのツアーの第一段階も半ばを過ぎましたが、ヨーロッパ横断の真っ最中、サウンドチェックとコンサートの合間に、ポール・ワークター=サヴォイに会 い、彼の最近の活動と、これからの予定、その理由について聞くことができました。「楽しんでるよ!」とポールは話してくれました。ツアーはスムーズに進ん でいますし、バンドはステージ上で楽しそうで、とてもリラックスした雰囲気です。2万3千人を集めたウッレヴォールでも、観客数800人のオールフスでも そうでした。彼らはツアーのプロになったのでしょうか?それとも一つ一つのコンサートにそれぞれ難しいところがあるのでしょうか?

今回のツアーの幕開けとなるギグの会場は完売のサッカースタジアムでしたが、それ以外のコンサートの会場は、比較的小さいホールですよね。何か違いはありますか?
ポール:(小さい会場の方が)サウンドが少しだけ難しくなるね。モートンはあの通り、耳が繊細だから。彼は自分の声が大きく聞こえるようにしたいんだけど、二つのスピーカーの間に挟まれていると難しいんだよ。それに小さい会場では反響音もずっと大きくなるし。
でも、いつもとは違うスタイルでプレイできるから、こういうのも好きかな。ちょっとクラブでのギグみたいな雰囲気になるから、攻撃的な感じが似合うんだよ。少し鋭い感じになるんだ。

あなたは、鋭い感じを出すのに一番向いてる楽器を使っていますものね。
ポール:そうだよ!(笑)そういう感じの演奏をすると、本当に少し体温が上がったような気がして、面白いよ。それでも、同じ曲を同じバンドでやっているわけだから、大した違いでは無いんだけどね。でも、もちろん、スタジアムで演奏できる機会はあまりないから、それはそれで特別なものがあるけどね!(スタジアムの方が)興奮するし。

ロイヤル・アルバート・ホールや、それ以外にもいくつかのイギリス公演は、あっという間に完売しましたが、そのことはどう思っていますか?
ポール:そういうことはあまり考えないようにしているんだ。昔のことを振り返ってみると、良いことも悪いこともあったわけだろう?この国でうまく行かなくなったと思ったら、突然ブラジルで大ヒットしたり、またその正反対のことが起きたり。
で も、僕は(ロイヤル・アルバート・ホールが完売になったことは)いいことだと思う。それは僕たちにとって必要なことだし、しかも良い時期に起きてくれたと 思う。イギリスのレコード会社はああいう状態だから、僕たちにはもっと地道なサポートが必要なんだ。だから、完売できたことで、そうだな、少なくともレ コード会社の人たちも、自分たちが何かをやらなくてはならない、少なくとも何かをやっているという姿を見せなくてはならないと、分かったんじゃないかな。

イギリスは他の国の市場への窓口になると思いますか?
ポール:少なくともドイツは窓口にならないということが分かったよ。昔からイギリスとアメリカが窓口なんだね。他の地域に進出するためにも、もう少しイギリスやアメリカに重点を置かなきゃならないと僕は思っているよ。

「重点」を置くとはどういう意味ですか?
ポール:僕にとっては、新しいアルバムを出すことだ。でもただアルバムを作って「さあ、これで僕たちはイギリスやアメリカでビッグになれるぞ」というわけには いかない。その市場にとって正しいことをしなくてはならないんだ。僕自身がアメリカに住んでいるけど、アメリカではa-haが何をするつもりなのかという 話は出ないんだ。どうやったらa-haの曲が(アメリカの)ラジオでかけてもらえるようになるかという話も出ない。僕は少しアメリカの影響力なんかも考え て、少し考え方を変えるべきだと思うんだ。で、実際にアルバムを出すことから始めなきゃと思っているんだ。

『Lifelines』がそのアルバムというわけでしょうか?
ポール:さあ、どうだろう。曲によっては可能性があるけれど。このアルバムは、まとまりのあるアルバムではないからね。アメリカ向けに、(新しい方から)2枚 のアルバムを合体さえようと、彼らは考えているみたいだけど。アメリカのオーディエンスに受けそうな曲だけを選ぶんだ。それも良いかもしれないね。

「彼ら」とは誰のことですか?
ポール:レコード会社だよ。まだワーナー・ブラザーズとの契約があるから。

あなたにとって成功とは?
ポール:うーん…成功とはつまり忙しくしていられることかな。一つのプロジェクトが終わったらすぐに、新しいプロジェクトを始められるって状況かな。上昇する ことも成功だという人もいるだろうけど、僕はそれが成功だと思ったことは無いよ。確かに、それも成功のうちなんだろうけど、僕はいつも次のことを考えてし まうんだ。「よし、これは出来上がったぞ。今度はあれをやれるぞ」ってね。僕の一番の仕事とは、何か新しいことを創りだすことなんだから。それに新しいプ ロジェクト、自分自身が関わるのが楽しみなことが次々とあるかぎり、僕はいつまでもこの仕事をやっていられるし、成功もついてくるんだと、おめでたい考え 方をしていられるからね。

それじゃ、成功によって前進できるというわけですね。
ポール:そうだよ。成功することによって新しい可能性が開けるんだ。それに新しいことに集中していると、突然、去年やったことに対して良い結果が舞い込んで来たりするものなんだ。うちでじっとしていて、ケンカばっかりしているんじゃなくてね。

この何年かで、何かを得ることができたと思いますか?
ポール:(笑いながら)分からないな。でも、僕たちがこの年代になっても、まだ何かをやれると思っていられるのは幸せだと思うよ。

それに、音楽の世界に入ってからずっと、僕たちはハングリーでいられた。それは、ああいうイメージを持たれていたから。だからそのせいで…(考え込む)

…それが間違っているんだと証明してみせるという動機ができたというわけですね?
ポール:そう、そのおかげでずっと怒りを持続できたから!

それは良いことですよね!
ポール:そうだね!(笑)僕たちはずっと「OK、今に見てろよ!」という気持ちでいられたからね。少なくとも僕たちのピークは23歳の時では無かったってことだよ。

ずっと誤解されたままの方がいいかもしれませんね!
ポール:そうだね、僕もそう思うよ…みじめったらしくなろうって!

新しいアルバム『Lifelines』で、何か特に自慢に思っていることはありますか?
ポール:『Lifelines』は、僕にとっては(これまでとは)違ったアルバムなんだ。僕がアルバムに取りかかったのは、遅い時期になってからだったんだ。 Savoyの 仕事が終わった次の日すぐだったんだけれどね。それで少し「隠れてこそこそ」作業する感じで、3週間で10曲分のデモをa-ha用に作らなきゃならなかっ たんだ。
でも、僕はそういう状況(次々と仕事が続いている状況)は好きだし、自分の書いた曲には満足できたんだけど、プロデューサーから満足でき るような手助けを得ることができなかったんだ。これは、僕にとっては大問題だったよ。僕はほとんどイアン・ケイプルと一緒に仕事をしたんだけれど、彼はプ ロデューサーというよりはエンジニア的な人でね。僕が2~3週間で仕上げたデモを組み立てるのに、時間をかけすぎだったと思うよ。僕が1日でやったものを 組み立てるのに1ヶ月かかるとか。でも、さっきも言ったけれど、僕の作った曲の出来には満足しているよ。
僕はこのアルバム制作で、たくさんのことを学べたと思う。いろんなタイプの人と仕事をしたことで、大変な方法で学ぶことができたわけだね。今僕たちがやっている新しいことだけじゃなくて、やりたくないこともたくさんやらなくちゃいけなかったしね。

ある日はSavoyの仕事をしていて、次の日にはa-haの仕事をしているわけですよね。頭の切り替えはできるんですか?
ポール:a-haに専念できる時間がもう少しあれば良かったと思っている。ある意味、締め切りが先に決まっていて、「この日にアルバムを出すぞ」という感じ だったから。実際に仕事をしているときにはその方が良いと思うし、仕事もやりやすいんだ。それでもこのアルバムは豪勢な食事みたいに、いろいろなものが詰 め込まれているんだよ。

a-haのアルバムを自分でプロデュースしてみようとは思いませんか? せめて、自分の作曲した分だけでも。
ポール:そうだね、Savoyのアルバムは自分でプロデュースしているから、人にまかせるというのは、僕にとっては難しいことなんだよ。今回のa-haのアル バムを作るときもそうだった。僕が手を出さないで「僕の曲ができました。プロデュースしてください」と言わなきゃならないんだ。たいていの場合、僕はスタ ジオ内ではかなり攻撃的になってしまって、「どのくらいだったらゴリ押ししても大丈夫か」というラインを引くのが難しいんだ。どこまで行けば、ゴリ押しし すぎになってしまうんだろう?もちろん、ベストを尽くしてもらうつもりで、人を雇っているわけだから、相手をやっつけてしまえば、何も得るものがなくなっ てしまう。ちゃんとした仕事をやってもらえるようにするのとは、ほんのわずかな違いなんだけれどね。
だから今回は、僕はできるだけ手を出さない で、「いいよ、好きなようにやれよ。えらそうに口出したりなんかしないよ」と自分に言い聞かせていたんだ。で、ちゃんと仕事をやってもらったよ。でも結局 は、「なんてこった、やっぱりゴリ押しすれば良かった!」と思うことになるかもしれないけど。難しいよね。次のアルバムでは、ゴリ押ししようかな。(笑)

それでは、プロデューサーにどんな資質を期待しているんですか?
ポール:曲作りをして、レコーディングをして、半分プロデュースして、そこまで来て行き詰まってしまうことがあるんだ。曲の細部ばかりじゃなくて、曲全体のイ メージに耳を傾けなくちゃならないんだよね。プロデュースがうまく行かないのは、そういう細部が、曲全体が伝えようとしている内容を伝えきれていない時な んだ。基本の部分で少しでもつまずいてしまうと、もう何がなんだか分からなくなってしまう。部分としてはちゃんとしたものでも、どういうわけか、自分の行 きたい方向には進んでくれないんだ。無理やり組み立てるというのは簡単にできるんだ。簡単なんだけど…。一日時間をかけた挙句に、「どういうことだ、昨日 の方がいい曲だったぞ」と思うようなものになってしまうんだ。

それでは、何もかも自分でやりたいというわけですか。
ポール:やりたいよ。でも、それも最悪の方法なんだよ。Pro Toolsやコンピュータがあるから、やろうと思えば全部自分でできるんだよね。でも、昔は4曲あったとしても、(どの曲か1曲に)決めなくちゃならなかった。その代わり、正しい決断さえすれば、あとはそれに集中できたわけだ。「やるのか、やらないのか」を決めるために、死にそうになるくらいだったんだ。でも今は、「とりあえず全部やってみよう」という感じだから、シンプルな曲1曲のために5千バージョンも出来かねない。

ステージ上では、あなた達3人は本当に楽しそうですよね。またスタジオで共同作業したいと思いませんか?
ポール:したいよ。いつも一緒にやろうとしているんだけどね。最新アルバムの場合は、僕たちはあまり一緒にスタジオにいる時間は無かったけれど、そろそろ同じ 方向を向くことのできる時期に来ているはずだと思うよ。そういう時期というのは、たいてい、一番良い結果を出せる時期なんだしね。

スタジオの中よりは、ステージの上での方が意見を合わせやすいですか?
ポール:僕たち全員がプロジェクトに手を出したがるから、どっちだろうと難しいよ。3人ともアルバム作りで何かをしたがるからね。
僕たちの場合、自分の作った曲への思い入れが少なくてすむように、もっとアルバム制作の時間を短くするか-そうすれば、たくさんの曲を出せるようになるし。
そうでなかったら、どの曲を入れるかケンカしなくていいように、それぞれの曲を入れられるように3人とも別々のプロジェクトをするか、どちらかじゃないとダメかもしれないな。

クリエイティブな面から言って、3人一緒に作曲するのは可能なんですか?
ポール:もちろん可能だよ。実際に昔、やったこともあるんだし。でも僕の場合はたいてい、2人に聞かせる機会ができる前に、曲ができてしまうから-曲の方から やって来ると言った方がいいかな-完成させてしまうんだ。だから、実際には「さあ、曲の頭の部分ができたぞ。ここでストップ!マグスとモートンに聞かせに いこう! 何か思いついてくれるかもしれないし!」というわけにはいかないんだ。(笑)

a-haの音楽とは何だと思いますか?
ポール:(長い間考えてから)僕 たちは、キャッチーだけど、僕たちにしか出せない音を作ることができると思っている。今も昔も、僕たちは他のバンドには出来ない曲を作っている。僕にとっ ては、a-haの音楽とは、陰鬱で哀しげなメロディーと、それとはまったく違ったひねりを与えてくれるモートンの声とのコンビネーションかな。他のシン ガーに歌わせたら重くなりすぎるものでも、モートンが歌うと軽やかな感じになるんだ。翼を持った曲、実際に少し…天に昇ったみたいな。(笑)

人々を感動させることが目的ですよね?
ポール:いや、全て自分のエゴのためだよ。(笑)

もちろん、そうでしたね。つまらない質問でした。
ポール:人々を感動させて、自分たちも感動するためだよ。それが醍醐味なんだよ!

じゃあ、自分でも楽しめるということが大切なわけですね。
ポール:そうだよ、音楽をやっているのは楽しいからね!僕は楽しんでるよ!

あなたは、レコーディングの間は、物事は進むがままに、起こるがままにまかせているという感じがするんですが。
ポール:そうだね…曲を思いついて、その曲を書き上げて、頭の中で繰り返して、スタジオの中で時間をかけて取り組んで…ところがそこでダメになってしまうんだ。それ以上曲を作りあげることも、曲が正しい方向へと進んでいく望みもなくなって、そこで止めてしまう。
時 にはヤケクソになってやることも必要だろうし、それでうまく いくこともある。でも、数学みたいに、正しい答えを出そうとしても、それはうまくいかないんだ。ヤケクソな姿勢というのは必要だし、とりあえずやってみ て、うまく行くことを祈るしかできないんだよ。ひとつの曲という国につながる、長くて細い道をたどっているようなものなんだ。僕たちは、その国に通じる全 ての道を試してみているようなものなんだ。
でも、そうだな、自由にやることができれば、一番良いものができるね。もう一つ難しいことは、物事をできるだけシンプルに進めるってことなんだ。そうしないと、大量の曲をダメにしかねないから。

スランプに陥ることはありますか?
ポール:スランプは、随分長いこと経験していないな。むしろ、その反対だよ。僕は曲をたくさん書いてしまって、「おいおい、これを全部レコーディングする気 か? いつできるって言うんだ!冗談だろ」という風になってしまうんだ。でも、これが僕の生きがいでもある。僕は7月に1ヶ月のオフをとるんだけど、「ど うしよう、忙しい1ヶ月になるぞ!」と思っているくらいだよ。いつもこう思っているよ。「どうやったら、もうちょっと物事をシンプルにできるんだ?どうし たらいいんだ?」ってね。(笑)

そんなに次々とアイディアが沸いてくるなら、典型的なポップ・ソングの形式はたった4分間だというのは残念に思いません?
ポール:でも、昔は3分だったよ。(笑)
別 に残念だとは思わないな。(Savoyの最新アルバム)『Mountains of Time』では、曲を編集しなくてはならなかったんだ。初めは、あのアルバムの曲のほとんどが、4分半から5分半くらいあったんだよ。でも、各曲をそれぞ れ1分ずつ切り詰めたんだ。その結果、良くなったと思う。だから、(1曲の長さの)限界はあると思うよ。もうちょっと長い方がいい曲もあるけど、その場合 は1曲の中にポイントとなる部分を作らないと。普通は、凝縮されていればいるほど、いい曲ができるね。
本当に長い曲を書こうとすれば、それは建設 工事になってしまうんだよ。誰もそんなに長いメロディーラインを書けるわけじゃないから、(短いメロディーをつなぎ合わせる)設計作業になるんだ。まった く違うピースを組み合わせていく、パズルみたいなものと言った方がいいかな。昔からよくあるタイプの曲はそうでは無いな…そういう曲はわずかな種類の主題 をいろいろなバリエーションに展開していくんであって…僕にとっては、それも建設工事みたいなものなんだけど。
ある意味では、ポップソングからそういうものが全部無くなってしまったらいいなとも思うよ。(指をならして)まったく飾り立てることなく、勝負するんだ。

4分間で証明しなくてはならないわけですよね。
ポール:そういうこと!(笑)すごいプレッシャーだよね!でも僕は『Cold as Stone』みたいな長い曲も好きだよ。馬にムチ打っているみたいで。あの曲の時は、「OK、曲のだいたいの感じはできたぞ。とりあえず演奏してみよう」という感じだったんだ。

コンサートでのソロ演奏みたいですよね。「よし、もっとやってやろう!」って感じですか。
ポール:そういう感じって面白いだろう? 同じ曲を、それまでとはまったく違った風に演奏できたって感じるときは、本当にい気分だよ。だから、その意味で一つ 一つのコンサートはクールなんだよ。もし、上手くいかないときには、そういう今までとは違った演奏ができた瞬間が来るのを待つんだ。そうすれば、「OK、 いい感じだ!」と言えるようになる。

a-haの曲の歌詞は全部英語ですよね。それは暗黙のルールなんですか?
ポール:それは、僕たちが子供の時からそうしてきたからなんだ。それに今では僕は海外にずっと住んでいるから、その方が自然なんだ。ローレンやオーギーと話す ときは英語だし、だからほとんど英語ばかりなんだ。初めのうち、ノルウェー語で歌詞を書こうとしたこともあったけれど、それより(英語の方が)いいよ(笑)
ノ ルウェー語自体が問題なんだ。(ノルウェー語は)スラングっぽく-もう本当にひどいスラング-になるか、本当に冗長で、ちょっと仰々しく聞こえてしまう か、どちらかにしかならないんだ。ノルウェーには(ノルウェー語で書くことを)上手くできる人もいるけれど、でも難しいよ。

もうひとつ歌詞についての質問をさせてください。a-haのニュー・アルバムでは、Savoyのアルバムでもそうですけれど、曲を通じて物語を語っているみたいですよね。単なる、取り留めもない歌詞というのではないですよね。
ポール:昔は、その取り留めもない歌詞ってやつを書いていたこともあるけど、そういうのには飽きてしまったんだ。綺麗なフレーズでも、それをリスナーに分かり やすいように、あまりにもストレートな、あまりにも簡単な表現にしてしまうことはしたくなかったんだ。僕は聞く人に本当の意味で何かを感じてもらえるよう な表現の方が好きだったんだ。全部の曲でそうできたわけじゃないけれど。でも今は、もし歌詞の意味がすぐに伝わっていないと感じたら、がっかりするな。

うらやましいことに、ローレンは作詞と作曲を同時にできるんだ。それなのに僕は歌詞を作るのに4ヶ月もかかったりする。以前は、曲を書くたびに興奮していた から、(頭を冷やすために)散歩にでかけたり何かをしに行かなきゃならなかった。時間を置いて見直すようにしなくてはならなかったんだ。そうすると、その 曲の歌詞がまったく違うものに思えたりするんだ。最初に曲が一気にできて、それから歌詞を作るのに時間をかけて、それでやっと90パーセント歌詞ができた ぞという感じだったんだ。だから、例えば『Afternoon High』の時みたいに、曲と同時に歌詞も思いつけるのはクールな感じなんだよ。
子 供の頃のことを思い出しながら作っているときには、あまりイライラしたりしなくてすむということにも気づいたよ。その方が簡単だしね。思いついたことを ちょっと書き留めておくみたいな感じでも、後になると、「ああ、本当にいいものができた!」と思えるようになるんだ。時間を置けば置くほど、名作に思えて くるんだよ。

写真No.2:クーン・クレメント その他の写真と文:サビーネ・クレメント

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